タロットの世界観を現代社会で表現したユニークな「アーバン・タロット」の紹介です。
絵柄紹介
サイズは実寸で 76mm × 140mm。一般的と言われるRider Waite版通常サイズと比べると縦に2センチほど長いです。
【大アルカナ】
節制(Temperance)のカードが”Art”、審判(Judgement)が”Aeon”と表示されるなど、全体のコンセプトはトートタロットや秘密結社系のタロットに近いですが、絵柄的にはライダー版の解釈も取入れられています。
【小アルカナ】
コートカードはKnight、Queen、Prince、Princessです。Kingはいません。つまり、騎士が人物カードの中では最上位となっています。ライダーウェイト版に慣れている方、複数デッキを同時に使う方はとくに、この点は若干の注意が必要かもしれません。
使用感
気に入ったところ
現代的な解釈に興味を持ちました。とくに、コートカードが現代の各職業のイメージになっている点はとても面白いと思います。音楽家、画家、服飾デザイン、ゲーマー、料理家、トレーダー、保育士、ロック歌手、ジャーナリスト、ダンサー、活動家、映画監督、弁護士、セラピスト、ハッカー、ホストなどとなっており、仕事がらみのリーディングに使っても楽しいです。
デザイン的には、材質の異なる複数のマテリアルによるパッチワークとなっており、飽きのこない絵柄です。同じようなパッチワーク系デザインのデッキには「Enchanted Tarot」がありますが、そちらとは印象がだいぶ異なっています。

イマイチなところ
けっこう暴力的で怖い絵柄があります。例えばソードの3、二度と見たくないほど怖いです。とくに女教皇のカードと並べると、少々トラウマ的なデザインです。
また、16番タワーのカードの現在の絵柄は、津波に高層ビルが流されているデザインですが、以前は9.11事件をもろに連想させるデザインでした。2つの高層ビルから真っ赤な炎と煙が上がっている世紀末的な光景です。さすがに問題があるとされたのか、現在の絵柄に改定されています。このあたりからも、暴力的な表現については若干やりすぎだという傾向を、個人的には感じました。
おわりに
なんだかんだいって、個人的にはかなりお気に入りのデッキです。タロットの現代的解釈をしているデッキは、ありそうで意外と少ないので、1つあると新鮮な気持ちで楽しめると思います。