夜の世界をテーマにしたタロット、「Tarot De La Nuit」の紹介です。登場人物がどれも美女・イケメン(笑)
絵柄紹介
大アルカナ
大アルカナにはボーナスカードが1枚ついています。「Angel de la Nuit」という名のカードで、これまでの長く暗い夜は間もなく明けますよ、という意味を持つカードです。黒いドレスを身にまとい、悪魔っぽいメイクをした女性がうつむいている絵柄で一見ダークな印象ですが、実はとても希望に満ちたカードです。
小アルカナも含めてなぜか流血している人物が多く、「太陽」のカードには断崖絶壁から飛び降りそうな血染めのドレス姿の女性が描かれています。こちらも、解説書にあるカードの意味は絵柄から最初に受ける印象とは違い、希望に満ち溢れた明るい前途を祝福する、ひたすらポジティブなカードとなっています。
小アルカナ
夜がテーマのデザインだけあって、全体的に黒っぽいイメージで、吸血鬼の館といった雰囲気。ただしデッキの作者としては、怖さを強調したいわけではなく、あくまで美しさを追求しています。
概要・特徴
昼とは違う、「夜」というもう一つの世界がもつ可能性や夢、夜の世界の美しさを表現しているデッキです。つまり暗闇の恐ろしさやゴシック性・魔術性を強調するよりも、美しさをこのデッキはコンセプトにしているとのことです。
サイズは実寸で 70mm × 120mm。Rider Waite版の通常サイズとほぼ同じ大きさと言えます。
使用感
気に入ったところ
箱も銀色で、なにやらゴージャスな印象。カード自体も光沢がありとても美しいデッキです。
見るたびに違う印象を与えてくれるカードで、飽きません。ほぼ全カードにおいて血痕が付着していることから、このデッキにおける血はネガティブな意味を持っていません。カード個々の意味よりも絵柄重視でリーディングをする人は特に、このデッキについては血の表現に意識を向けすぎると、それは直観どころか全てデタラメになりますので、一度は付属の解説書に目を通すことをお勧めします。作者の意図を理解したうえで自分独自の解釈を作るのはまったく問題ないと思います。
イマイチなところ
あえて挙げるならば、絵柄とカードの端の間に隙間がない(絵の周りに囲いがない)、つまりボーダレスのデザインである点です。長く使っている間にカード周辺が傷み、それが絵柄にも及ぶため徐々に残念なことになってきます。絵柄の周囲に空間があれば、カードが傷んでも絵は無事なので、個人的には気が散ることなく見やすいです。
ただし一般的には、むしろフチなしを好む人のほうが多いかもしれません。皆さんはフチあり、フチなし、どちらが好みでしょうか?
購入場所
2019年現在、ネット通販等で問題なく入手可能です。私が購入したものは、解説書が英文のものでした。日本語版がでているかどうかは不明です。
おわりに
たくさんの人物が描かれていますが、彼らの表情から何かを読み取ろうとするのは少し難しいかもしれません。しかし、夜の闇に浮かぶ希望のように見える光や、全体を包む静かな空気などを感じ、妙に落ち着きます。個人的には常にそばに置いているお気に入りのデッキとなっています。